原題は「Alter Boys」
重っ!!(←注:誉めてます)
ベンにも多少、罪はある・・兄の言いなりになり、殺人を知りながら告発せず、死体を遺棄した罪が。しかし勿論それは、仮釈放無しの終身刑に相当する罪ではなく・・。
下された刑に耐え切れず、カトリックにとっては大罪であるはずの自殺を選んだベン。彼が流した血がべっとりついた手を見つめるグリッソム・・。
カトリック(の神父)をからめて描いた話で、宗教的でしたね。
グリッソム(だけ)が悪い訳ではない・・一番悪いのは、ついカッとなっただけで殺人を犯し、それを見られたからと言って口封じで2人目を殺し、罪をなすりつけたことで結果、弟まで殺したロジャーですけど。
人が作ったんですから万能はあり得ないとはいえ、無実の人間を有罪にし、結果自殺を選ばせた「過程」「システム」・・科学捜査だったり検事だったり法廷の陪審員だったり。そういうのの限界を思い知らされる訳で。
精一杯、サルからヒトになって以来(?)、気が遠くなるような時間をかけて少しずつ少しずつ・・。罪を犯した者には報いを、そうでない者には自由を与えるべく、よりよいシステムを人類は模索し、構築してきたはずなんでしょうけど、それでもまだまだ・・なんですよね。
宇宙に行き、クローンを作り・・。大概のことは人類、何とか出来るようになった錯覚を起こしてしまいがちかもしれませんけど、台風はどうしようもないですし、山火事はなかなか消せませんし、戦争も民族紛争も宗教対立も、それ以前に家族同士の喧嘩すら、お手上げ状態です。むしろ、人が出来ることの方が限られている・・。
神を信じるかどうかはともかく、何かしらもうちょっと謙虚な心構えで生きていくべきなのは確かかもしれません。
一般の人ならそう、思い知らされず、うちのめされることも無いであろう、限界や無力感に、科学捜査という形で犯罪取り締まりに関わるがゆえに、出くわさずにはいられない、グリッソム(達)が本当、気の毒というかご苦労様というか。いい人&優秀な人(達)なのになんで、こんな辛い思いせにゃあかんのよ・・と。
犯罪を取り締まる職業の人は、今回のような「返り血」を度々、浴びる可能性がある訳で・・。
居て貰わなきゃ・・頑張って貰わなきゃ困る訳ですが、それでも、彼らが煩わされることが、質・量ともに少しでも減っていってくれればいいんですけど・・無理なんでしょうねぇ。